The Artist

Ayaka Nishi | February 16 2012 | 0 Comments

 



今日は、友達にお薦めされて、映画「The Artist」を見てきました。
The Artistはモノクロのサイレントムービーであるのにもかかわらず、現在、ゴールデン・グローブ賞を3つ受賞し、アカデミー賞もノミネート中の、注目されている映画です。

正直、最初は今時3Dを駆使している映画が多い時代に、サイレントムービーでそこまで話題になる映画って一体どんな映画なんだろう・・・と不思議に思っていました。
しかし、この映画を見て思ったのは、この映画はモノクロのサイレントムービーだから良いのだという事がよくわかりました。
サイレントムービーのモノクロの美しさ、あの独特の間、静かな中に聞こえてくるお客さんの反応の声、後ろでかかる音楽の美しさ・・・
今時の映画にある、過激なバイオレンスや余計な台詞など一切なく、シンプルなラブストーリーですが、すっかり、そのモノクロの世界に引きこまれ、その、シンプルな表現の良さというのを改めて感じました。



ストーリーは映画産業がサイレントムービーからトーキームービーに変わる時代にうまく時代の波にのれずに落ちぶれていく俳優が主人公として描かれています。時代の流れ、栄枯盛衰は世代交代はどの時代にもあるもので、映画を見ていて私は世界の中での日本の立ち位置や浮き沈みが激しいファッション業界や不景気な世の中を重ね合わせて見ていました。この映画は多くの人が直面する人生のビターな部分を扱っているので、たくさんの人々の心に痛いほど訴えてくる映画なのだと思いました。

見終えた後は、まるで名作「ティファニーで朝食を」を見た時のような、少し懐かしく、切なくも、幸せな気持ちになれる映画です。
この映画を見て、今後もっとサイレントムービーを見たいと思う人が増えるのではないかと思います。



過激ではなくとも、強く心に訴えてくる上質な良さ。
私は骨をテーマにしたBone Collectionを作っていますが、あえて、今まで、ガイコツモチーフは避けています。
「Bone Collectionがあるなら、スカルモチーフは人気だからスカルのジュエリーも作ればいいのに。」と言われるのですが、私のなかでは、スカルは、既にとても強い意味を持つシンボルで、あえて、使うのをやめようと思っているのす。私は、骨というインパクトそのものより、骨の有機的な、機能美のカーブの美しさをジュエリーで出したいと思っています。




一見、シンプルさの中に、個性や創造性が光る作品を作る事。それが、真のクリエイターの腕の見せどころだと思うので、そういった意味では、この映画、「The Artist」はモノクロの無声映画映画というシンプルな方法で、人々感動を引き出すことができている素晴らしい映画なのだと思いました。お薦めしたい映画です。


映画「アーティスト」公式サイト(日本語)
http://artist.gaga.ne.jp/