Venice - Monday 9th July 2013
Venice最終日。
ガラスで有名なムラーノ島に行きたいと思い、船に乗って行くことにした。
滞在しているB&Bから港を目指して迷路のような細い道を歩いて行くと、
長くて細い暗い石畳の通りに出た。
そして、その遠い通りの先に微かに、青い海らしきものが見えた。
「多分、あれは海に違いない・・・。」そう思って、
道の間に見える遠くの海を目指して、日陰の細い道をずっと歩いた。
この感覚は、なんだか、夢に出てきた様なデジャヴみたいな、懐かしい感覚だった。
長いトンネルを抜けて、明るい世界に出るという感覚。
なぜこんなにも懐かしくて特別な感じなのだろう・・・。
もしかしたら、それは、私がお母さんの胎内から外の世界に出た瞬間の感覚を
無意識に覚えているからなのかもしれない。
人生においても、長いトンネルを抜けて、
新しい世界に出るという風に感じる事はあると思うけれど、
その感覚は、いつでも、爽快で開放感に溢れている。
ふと、このヴェネツィアの旅がもしかしたら私の中の
長いトンネルを抜けるきっかけになるのかもしれない・・・と希望を感じた。
港から船で20分もすると、すぐにムラーノ島に到着した。
しかし、島内はこれでもかと言うほど、ガラスのお土産のお店が並んでいて、
ちょっと、観光地化され過ぎているのに、ひいてしまった。
並べられているガラスの作品の中には素敵なものもあるけれど、
いかにも、お土産品というものも多い。
しかし、その中で、とても目を引いたのが、
本物そっくりの昆虫をガラスで作っている職人のお店だった。
クモや、チョウチョやカブトムシなど、本物そっくりの昆虫をガラスで作っている。
すごく欲しかったけれど、すぐに足がぽきっと折れそう。
特別な梱包に入れたあげるよといわれたけど、
スーツケースの中で潰されて壊れそうな気がしたので諦めた。
フェリーに乗って再度、ヴェネツィアの市街地に戻った。
ヴェネツィアの市街地で特に印象的だったのは、フレンドリーなおじちゃんがいる、不思議な古本屋。
古本屋の奥に行くと、本を積み上げて作ってある、本の階段があったり、
その横には、本屋から普通に水路が見えて、そこを、ゴンドラがゆっくりと通り過ぎて行った。
この本屋からゴンドラに乗って、どこかに行けるなんて、
まるで、おとぎ話の様な世界だ。ちょっと絵本の「かいじゅうたちのいるところ」みたいだと思った。
水と共に生きる街。
この街は年々水位が上がってきていて、近い将来沈んでしまうといわれている。
理由は砂浜の上に建てられた人工的な土地に建てられている為にかなり低い土地だかららしい。
いつかは、ここに住む人たちも、この町を捨てていかなくてはいけない。
多分私が生きているうちは、まだ沈むことはないと思うけれど、この美しい都が永遠ではないというのは、
少し寂しい感じがする。でも、どんな事でも永遠に続くというのは、ないんだよね。
「過去や未来に囚われすぎるのではなく、今を噛み締めて生きよう!」
なんて事をドリアン助川が言っていたなぁ~と思った。
最後に、テキスタイルの工場、Bonottoで見たYoko Onoの作品、DREAM。
今回のヴェニス滞在は本当に夢のような時間でした。