DENYC
ファッションの発信地、New York。
ニューヨークには、ファッションで有名な大学、F.I.Tやパーソンズがあるので、
ファッションデザイナーを目指す人が、世界中から集まってきます。
しかし、自分でファッションのビジネスを立ち上げるのは安易ではありません。
デザインの才能があっても、ビジネスの才能がなくては、難しいからです。
私自身、デザイナーとしての教育は受けていても、学校でビジネスの勉強をした事はないので、
多くの疑問の中で、日々模索しています。
そんな中、カルバン・クラインやGuessなどを抱える大手アパレルグループのG-Ⅲと
ファッションの大学、F.I.Tが共同で主催している現役ファッションデザイナー向けの
ミニ・MBAプログラム、DENYCを知ったのは、F.I.Tの卒業生に送られてくるニュースレターでした。
2013年度のプログラムの生徒を募集しているというので、
「私のいつも思っている疑問に答えてくれるのは、このプログラムかもしれない・・・」と思いました。
このプログラムは無料ですが、いくつか、申し込みをするのに、条件があり、
ちゃんとしたコレクションをいくつか発表している事。
企業して1年以上たっている事。ちゃんとした大きなお店に卸している事、といった様な条件でした。
一応、条件は当てはまったので、なんとなく、その日の深夜にそのままアプリケーションを書いて、
オンラインから申し込んでみました。
そしたら、数ヵ月後、日本で個展をしている時に、受講受け入れの連絡が、ありました。
どうやら、200近い応募の中から、30のデザイナーが選ばれたという事でした。
そして、本日は、G-ⅢのビルにあるCalvin KleinのShow Roomにてキックオフイベントがありました。
このプログラムは、会場には、F.I.Tの学長、G-Ⅲの社長、F.I.Tの教授陣、弁護士、
Citi Bankのスタッフが来ていました。
ただの、クラスと思いきや、ファッション業界のドンが、若手デザイナーを育てるという感じの
思っていた以上に、実りの多そうなプログラムの様でした。
キック・オフのイベントの時に、メンター(指導者)の一人がとても素晴らしいスピーチをしました。
「ここに選ばれた、デザイナーのみなさん。おめでとう。
私たちはみんな夢があります。そしてすべての夢はかなう夢です。
でも、それには時間がかかります。
私自身も、若い時に、お金がなくても、夢がありました。
そんな時、私のパートナーがMBAを卒業していて、ビジネスの仕方をアドバイスしてくれ、
お金が少しある人から、どうやって、助けてもらえるかを教えてもらいました。
私は今でも、それをとても感謝しています。
そして、今こそ、その恩をファッション業界に返す時だと信じています。
私たちは、あなた達が、投資する価値があるデザイナーだと信じています。
みなさんは、ここで、お互いを競争相手と認識するのではなく、
お互いの経験をシェアして、一緒に成長していける仲間として、頑張ってください。
夏にビーチに行きたい気持ちもわかります。
でも、この夏、あなたたちが、このプログラムを通して多くを吸収して、成長できる事を祈っています。
そして、あなた達のデザインをニューヨークの街中のあちこちのショーウィンドウで沢山見れる日を心待ちにしています。」
ファッション業界の人は、好戦的で苦手だなぁ・・・と思っていたけれど、
なんだか、このスピーチを聞いて、ちょっとジーンときちゃいました。
今回の選ばれたデザイナーで日本人は私だけ。
プログラムには、ビジネスプレゼンテーションのワークショップもあるみたいです。
ニューヨークに8年いても、やっぱり、英語でのプレゼンテーションは難しいし、正直、すごく不安です。
ちゃんとついていけるかな・・・。
でも、こんな、チャンスは、めったにないし、他に選ばれなかったデザイナーの事を考えると
頑張りたいと思います。
6月のキャンプの予定は残念ながらお預けになったけど、
その代わり、この夏、成長できますように・・・。
G-ⅢのCalvin KleinのShow Roomから見た、絶好の眺め。
こんなところにオフィスを構えて、こんな風景を眺めることができる日がいつかくるのかしら・・・。
DENYCに選ばれて嬉しいからか、いつもより、マンハッタンが輝いて見えるな~。キラキラ。(笑)