Mrs. Reiko Ehurman

Ayaka Nishi | January 10 2013 | 0 Comments

私はNew Yorkに住み始めて、8年が経ちましたが、
今まで、「ああ、本当にNew Yorkに来て本当によかったな・・・」と思える様な
出会いがいくつかあります。
元ファッションデザイナーのレイコ・エアマンさんとの出会いも、その一つです。

彼女はNew York在住暦がなんと50年で、現在は90歳の、私の親しくしている方の中では、
最年長の方で、90歳とは思えない、いつも、オシャレで、心遣いのある、楽しい方です。
彼女の経歴はまるで映画の様に劇的です。

日本にいる時は、戦後にお父様の会社であった美術出版社で編集のお仕事をされた後、
40歳の頃、パリで産経新聞の記者として渡仏し、パリの社交界、アート界で取材をしながら、
交友を広げ、その後、日本に帰国する予定でその前にNew Yorkに立ち寄ったつもりが
そこで、電撃的にアメリカ人でニナ・リッチの香水のパッケージデザイナーなどをされていた
ご主人とお知り合いになり、ご結婚され、現在にいたります。

New Yorkに渡られてからは、日本独特の染めを取り入れたドレスの
ファッションブランドをスタートされ、ファッションデザイナーとしてご活躍されました。
Sax Fifth Avenue、Lord and Taylorなどでお取り扱いたり、ご自身のブティックも
Upper Eastにお持ちだった様です。

Reikoさんは私から見ると、New Yorkで活躍される日本人ファッションデザイナーとして、
大大先輩なので、よくアドバイスをいただいたり、応援していただいたりしています。
世代も、年齢も55歳も違うにも関わらず、お互いに自然やクモの巣が好きだったりと、
アートやファッションの感性が通じるところがあるのか、一緒にいても、話題が尽きません。
年齢がすごく離れていても、こんな風に、コミュニケーションが広がるものなのだなぁ・・・
と毎回つくづく思うほど、お話していて、とても楽しいのです。

今日、そんなReikoさんから、お気に入りのネックレスが壊れたので、
修理してもらいたいのだけど、というお願いがあり、
ネックレスを受け取る為に会うのを兼ねて、日本クラブでランチを
ご馳走していただけることになりました。
その際に、クリスマスプレゼントをあげてなかったから・・・と言って、プレゼントをいただきました。

そのプレゼントは、なんと、長い黒のファーのストールでした。
一緒に頂いたとても素敵なデザインのカードには、次のようなメッセージが書いてありました。



「新年おめでとう。お互いにがんばりましょうね。
 あやかさんにとって今年は何かとても良い発展がある予感がしています。
 New Yorkの名物デザイナーといわれる様に努力してね。
 このストールは私が日本を出る際に、父と母が外国のパーティで成功するようにと
 当時のトップの毛皮デザインを扱ってくれた中村毛皮店に
 オーダーして作ってもらったものです。
 貴女の様に背が高い人にぴったりです。日本人として誇らしい毛皮レディになってください。
 クリスマスプレゼントです。」

と書かれていました。

当時日本を出るとき・・・ということは、もう40年も前のファーという事になりますが、
とても40年前にものとは思えないほどよいコンディションのものでした。
とても長い黒いファーなので、2重巻きにしても余る位のファーでした。

もう既に亡くなられたご両親が、Reikoさんが外国に行かれる際にプレゼントしてくれた
ファーなんて、きっととてもReikoさんにとってご両親のお気持ちがこもった、思い出の品で、
重要なものであるに違いありません。
そんな大切なものを私にプレゼントしてくれるという事に、ファーであるという以上の
何か大切なものを渡されような気がしました。
それは、自分と同じように、海を渡って、New Yorkで頑張っている
日本人女性デザイナーへの応援や、祈りの様なものに感じました。

私は、いつも、自分が年齢を重ねた時には、Reikoさんみたいに、エレガントで、素敵で、
楽しくて、おしゃれで、思いやりのある方になりたいといつも思っていました。
それと同時に、今よりももっと、日本人が少なくて、難しい時代に、同じ日本人デザイナー
としてNew Yorkで頑張ってきたReikoさんと自分を重ねて、「Reikoさんも
こんな苦労があったのかな・・・。」と考える事もよくあり尊敬の念を抱いていました。

そんな思いもあったので、Reikoさんからこの様な心のこもったプレゼントをいただけた事が
本当に、嬉しく思いました。そして、ちゃんと、大切にしなくちゃ・・・・と責任も感じました。

Reikoさんから、もっと色々学びたい事や、お話した事は沢山あるので、
なるべく長くお元気でいていただきたいなと本当に心から思います。

昨日10年ぶりにデヴィット・ボウイが新曲を発表しました。
かつて、「Let's Dance」などを歌っていたデヴィット・ボウイもいまや60歳を超え、落ち着いて、
残りの人生について考えたりしているのかなぁ・・と思うような内容の曲です。

Reikoさんもデヴィット・ボウイも私にとっては、永遠のアーティストで、スターです。
2人も、なるべくずっと元気でいて欲しいなぁ・・・と思うセンチメンタルな気持ちは、
なんだか、この曲がしっくりくる気がします。

David Bowie: Where Are We Now?